ボードメンバー紹介【中島礼朗】
こんにちは!本日は副代表紹介第3弾・最終回です!
次回からは議長の紹介が始まります!
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自分の信じるものを言語化する、ということ。
僕にとって非常に難しいことでした。
大学の授業や日々のニュース記事、SNS等で様々な社会問題に関する様々な言説と、様々な”当事者”の声を聞き、全てに納得し、「そういう考え方もあるよね」と知った気になり、変わらず社会の無関心の中で日々を送る。こんな経験は皆あるのではないかと思います。少なくとも去年の僕はそんな感じでした。
人から「君はどう思うの?」と聞かれた時も、自分が聞きかじった言説をいくつか並べてみて、議論ができている気になる。そんな奴でした。結局自分の意見を述べることはできなかった。
情報の洪水の中で自分の価値観を見失っていたのです。
そんな去年の自分に一つ大きな機会をくれたのが京論壇でした。
京論壇という団体は奇妙な団体です。
なにをするの?と周りの人に聞かれると「議論をします」と答えるしかない。夏休みの100時間を使ってひたすら北京大生と東大生が議論をする団体、京論壇。しかも二週間も泊まり込むし。
一つ大きな特徴として、京論壇の議論が現実世界で起こる、という点が挙げられます。ニュース記事等々の言説からでぼんやりと思い描く世界に関しての話ではなく、僕ら・彼ら彼女らが生きる国で起きていることに関しての議論をします。
議論は少人数で行われます。東京大学から5名、北京大学から5名。この10人で100時間議論するわけですから、黙っているわけにもいきません。
「君はどう思うの?」が繰り返されます。
議論のテーマに関して、そして他の人の意見に関しての意見を求められ続けます。
他のメンバーの意見に関する違和感、心の何処かにぼんやりとある原体験、感情、すべてを言語化することが求められます。
メンバー10名のバックグラウンドは当然全く異なります。北京大生のバックグランドに関しては、もはや自分が想像してこともないような人生を辿ってきている人もいます。当然価値観も違い、自分の頭は違和感でいっぱいになります。
それも全てを言語化することが求められます。
違和感の言語化は自身の軸の言語化と表裏一体です。それゆえに、100時間の議論は、自分の価値観と向き合い続ける100時間を意味します。
この経験は、非常に有意義でした。
もちろん、今の自分もまだまだです。自分の価値観なんていまだにわかりません。でも去年の京論壇での100時間は、確実に自分の軸に光を当て、振り返りたくないとひた隠しにしていた原体験にも目を向けることで自分の感情の源泉を知らせてくれました。自分の意見を持つこと、価値観を知ること、はここから始まるのかなと思います。
余談ですが、京論壇のメンバーは最高に魅力的です。議論が終わったら皆お部屋に戻って自省を繰り返す寂しい二週間ではなく、いつまでも自分の考えを話し、お互いを理解しようとする気概に溢れた意欲的で、面白いメンバーです。だからこそ夏休みの二週間を捧げたとしても素晴らしい日々だったと振り返れているのだと思います。
社会に出て、一人の人間として生きていく上で、主張できる大人になりたい。一度しかない人生、いつ死ぬかもわからないから、とりあえず自分が好きなものを愛し、好きなことを言って、好きなもののそばで、好きに生きる。そんな生き方のためには、自分が何を好きで、何を思う動物なのかを知る必要があります。
自身は他者との関わりの中で定義され、自分は自省の先に見つかります。京論壇はそのための素晴らしい機会でした。
今年は副代表として、各自が自分と必死に向き合い、他者を必死に理解しようとする。そんな100時間が生まれる環境づくりに尽力できたらと思います。
京論壇2019副代表 東京大学二年 経済学部進学予定 中島礼朗
僕を京論壇に導いてくださった大島さん(京論壇2017参加者)とタイにて。
写真右側が僕です。大島さんは、僕がお世話になっている大きな大きな先輩なのです、いい笑顔。